マンションの外壁色と資産価値|入居率を高める選び方

マンションの外壁塗装を検討中なら「どのような色が人気?」「おしゃれに見せたい」「資産価値も上げたい」と迷われている方も多いでしょう。トレンドではなく、数年経過しても愛されるような外観にしたい方もいるはずです。そのためには、慎重な色選びが重要です。

外壁塗装の色選びと言っても、簡単ではありません。色の選択肢は多種多様です。その中でも人気色は確かに存在しています。人気色から選ぶとしても色選びのポイントや、色違いのメリットとデメリットなどは知っておきたいところです。「失敗しない色選びの考え方」や「住まいの印象をワンランク上げる配色選びのポイント」などを知れば、入居者に選ばれる物件にできます。本記事では、マンション外壁の色が建物の印象や資産価値にどう関係するのかを整理し、落ち着いた色を中心に、景観との調和や配色の決め方を詳しくお話しします。

 

代表取締役

【監修者】長谷川 昭人

専門領域・保有資格
・一級塗装技能士
・雨漏り鑑定士

経歴・実績
・1998年 高槻市にて「長谷川建装」として創業。塗装職人親方として独立。
・2013年 拠点を豊中市二葉町へ移転。住宅リフォーム事業部を新設し、元請事業を本格開始。
・2019年 拠点を豊中市服部本町へ移転。「住まいるヒーローズ」を商標登録。

加盟団体
・大阪府塗装共同組合(第4支部長)
・PQA塗装品質機構(副会長)
・塗魂ペインターズ

外壁色はマンションの資産価値にどう影響するか

入居希望者がマンションを選ぶ際、多くの場合、派手さよりも落ち着いた印象が選ばれやすいのです。奇抜なデザインは見る方に強い印象を与えます。ただ、最初は良くても長期的に住み続けると考えた場合、敬遠される場合も多々あるのです。資産価値の維持を考える場合は、次の要素を一体で確認することが大切です。

・外壁の色と配色
・塗膜やタイルの劣化状態
・シーリングや防水の状態
・エントランスの清潔感
・バルコニーや手すりの状態
・植栽と外構の管理
・共用部分の照明
・修繕履歴と長期修繕計画
・周辺の街並みとの調和

資産価値向上においても「色の印象」が影響

外壁色の選択は、マンションの価値にも影響します。マンションの購入を検討している方や入居希望者は、外観の第一印象を重視するのです。普段からカラフルでポップなファッションを好む方もいるでしょう。そのような方なら派手だったり奇抜だったりする外観のマンションを選ぶかもしれません。

外壁塗装によって劣化箇所を補修し、美観と防水性を回復させることは、建物を適切に管理していることを購入希望者や入居希望者へ伝える材料になります。色そのものより、外観全体が清潔に維持されているかが重要です。


落ち着いた色が選ばれやすい3つの理由

1.周囲の建物や自然との調和が取りやすい

マンションの周囲には他の建物もあるため、景観との調和にも配慮しなければなりません。都市部だけではなく郊外でも同様です。外壁が落ち着いた色の場合、周囲の景観と調和しやすいのがメリットでしょう。外壁の大部分に鮮やかな色を使用すると、周辺の建物や自然環境から目立ちすぎることがあります。落ち着いた低彩度の色を基本色にすると、周辺との違和感を抑えやすくなります。

2.汚れが目立ちにくい

中間色のメリットは、排気ガスや土ぼこりのような汚れが目立ちにくくなるのです。特に幹線道路沿いのように、交通量の多い場所では、排気ガスの汚れが外壁に付着します。

汚れは雨水で流れ落ちるのですが、外壁塗装が劣化すると洗い流せないものも出てくるのです。そのような汚れは黒い筋となる雨だれ汚れになります。

 外壁の汚れが目立つかどうかは、色の鮮やかさより、汚れと外壁色の明度差によって変わります。砂ぼこりや排気ガスに近いグレー、ベージュ、グレージュなどは、白や黒と比べて汚れとの色差が小さく、目立ちにくい傾向があります。

3.入居者の世代やライフスタイルにマッチ

入居者はどのようなマンションに入居したいのか考えてみてください。ファミリー層やシニア層は落ち着いた住まいを選びます。安心感や落ち着きや清潔感があるからです。

落ち着いた色は好みが大きく分かれにくく、幅広い世代を募集対象とするマンションで検討しやすい配色です。ただし、単身者向け、学生向け、デザイナーズ物件などでは、立地や入居者層に合わせて個性を持たせることが有効な場合もあります。

色を決める前に、現在の入居者層だけでなく、今後募集したい層、周辺の競合物件、建物のコンセプトを整理しましょう。

 

マンション外壁色を選ぶ前に確認する5項目

1.周辺の街並み

隣接する建物、道路、植栽、公園、商業施設などを確認します。周辺にベージュやグレーの建物が多い場合、同系色を使うと街並みに溶け込みやすくなります。
一方、周囲と全く同じ色にする必要はありません。明度や素材、アクセントカラーを調整し、調和を保ちながら建物の特徴を出します。

2.変更できない部分の色

マンションでは、次のような部分を塗装で自由に変更できない場合があります。
外壁色だけを先に決めるのではなく、変更できない部分の色を基準に全体の配色を組み立てます。

・アルミサッシ
・玄関扉
・手すり
・タイル
・石材
・屋根材
・ガラス
・エントランスの床・壁
・屋外階段
・設備や配管

3.建物の形状

同じ色でも、凹凸、バルコニー、柱、梁、階段室などの形状によって印象が変わります。

縦のラインを強調すると高さを感じやすく、横のラインを強調すると広がりを感じやすくなります。色分けは装飾としてではなく、建物の形状を整理して見せるために使うことが重要です。

4.景観計画・管理規約

景観計画区域や景観形成重点地区などでは、使用できる色や届出対象となる工事が定められている場合があります。

また、分譲マンションでは管理規約、使用細則、総会決議などの手続きも確認します。施工会社へ依頼する前に、行政上の届出と管理組合内の合意形成の両方を整理しましょう。

5.将来の維持管理

外壁色は、完成時の見た目だけでなく、汚れ、退色、補修跡の目立ち方まで考えて決めます。

塗料の性能、艶、既存下地、日当たり、交通量、植栽、海や河川からの距離なども、美観の維持に影響します。

 

配色は3つの役割に分けて考える

ベースカラー

外壁の大部分を占める基本色です。ベージュ、グレー、アイボリー、ブラウンなど、周辺となじみやすい色が候補になります。建物全体の印象を決めるため、最初に選びます。

アソートカラー

バルコニー、階段室、柱などに使用し、ベースカラーを補う色です。ベースカラーと同系色で明るさを変えると、まとまりのある外観になります。

アクセントカラー

玄関まわり、縦ライン、庇など、限られた部分に使う色です。濃色や彩度の高い色を使用する場合は、面積を抑え、周辺景観から浮かないようにします。配色比率として「70:25:5」などが紹介されることがありますが、建物形状や景観基準によって適切な割合は異なります。数値を絶対的なルールとせず、立面図や試験施工で確認してください。


マンション外壁色で失敗しやすい5つのケース

1.小さな色見本だけで決める

色は、塗る面積が大きくなると、小さな見本で見たときと印象が変わります。一般に、明るい色はより明るく、鮮やかな色はより強く感じられる場合があります。

この見え方の変化は「面積効果」と呼ばれます。できるだけ大きな塗板を用意し、実際の外壁付近で確認しましょう。

2.室内照明だけで確認する

色は、晴天、曇天、朝、夕方、室内照明などによって見え方が変わります。

色見本は屋外へ持ち出し、日なたと日陰の両方で確認します。北面と南面でも印象が変わるため、複数の方角で見ることが重要です。

3.サッシやタイルの色を無視する

外壁だけを好みの色に変えても、サッシ、手すり、玄関扉、タイルなどと調和しなければ、建物全体がまとまりにくくなります。変更しない部分を写真や立面図に整理し、その色を基準に配色を決めましょう。

4.艶を確認していない

同じ色番号でも、艶あり、半艶、艶消しでは見え方が異なります。

艶が強いと光を反射して明るく見える場合があり、艶消しは落ち着いた印象になります。一方、塗料の種類によって選べる艶や汚れにくさが異なるため、色と塗料性能を分けずに確認します。

5.流行だけで決める

外壁塗装は長期間使用するため、短期的な流行だけで決めると、数年後に古い印象になる可能性があります。

建物の形状、周辺環境、入居者層、変更できない素材を優先し、そのうえで流行色をアクセントとして取り入れる方法が適しています。

 

 

景観条例とマンセル値を確認


景観計画を定めている自治体では、外壁色を「マンセル値」で規定している場合があります。マンセル値とは、色を次の3要素で表す方法です。

⑴色相:赤、黄、青などの色味
⑵明度:色の明るさ
⑶彩度:色の鮮やかさ

塗料カタログの色番号とマンセル値は同じものではありません。使用予定の塗料について、メーカーの色見本帳や資料でマンセル値を確認します。
また、景観基準に適合していても、周辺の街並みと調和しているとは限りません。数値上の基準を満たすだけでなく、現地の建物、自然、道路から見た印象を確認しましょう。


外壁色と建物の管理状態を一体で考える

マンションの外壁色は、数年経っても愛される「落ち着き」を重視した選び方が幅広い入居者・購入希望者に受け入れられる外観づくりにつながります。

派手さを避け、周囲の建物や自然との調和を図りつつ、汚れが目立ちにくいグレーやベージュ、ブラウンなどの中間色が特に人気です。

こうした色は周辺となじみやすく、サッシやタイルとも組み合わせやすい候補です。ただし、建物の資産価値は外壁色だけで決まらないため、劣化補修や防水、共用部分の管理も同時に検討する必要があります。

加えて、ネイビーや黒、グリーン、イエロー、オレンジ、レッドなど個性的な色もありますが、環境や周辺の景観とのバランスを考慮することが重要です。

私たちエースでは、豊富な実績と専門知識をもとに、マンションの立地や周辺環境、ターゲット層に合わせたマンションの立地、既存タイルやサッシ、周辺環境、入居者層などを確認し、建物に適した外壁色をご提案します。カラーシミュレーションを用いた具体的なイメージ確認も可能です。大きな塗板や現地での見え方も確認しながら、配色を決定します。

色選びで迷われている方は、お問い合わせフォームやメール、電話でのご相談、またショールームでの対面相談もぜひご利用ください。

出典

  • 国土交通省「住宅・建築物等整備事業に係る景観形成ガイドライン」
  • 建物所在地を管轄する自治体の景観計画・景観条例
  • 使用する塗料メーカーの色見本帳・製品仕様書
  • マンションの管理規約・長期修繕計画

 

 

エースマーケティング部

ビル・マンションの大規模修繕や改修を検討されるオーナー様・管理組合様へ、資産価値を守り高めるための専門知識やお役立ち情報を発信しています。

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